Q&A
同時廃止になった場合、どのくらい時間がかかりますか?
1 同時廃止について
債務者の財産がわずかで、債権者に配当する十分な原資がなく、手続き費用さえ不足するような場合、裁判所は、破産手続き開始の決定と同時に破産手続き廃止の決定をすることができます(破産法216条)。
これを一般に同時廃止と言います。
同時廃止による手続きが行われた場合、破産手続開始決定後の手続きは行われず、将来に向かって終了し、破産手続きは終了します。
破産管財人の選任や集会の実施等はなされません。
破産者における財産処分権の喪失もありません。
破産者は、同時に免責許可の申立ても行っているのが通常であるところ、これによって、債権者が強制執行等をすることはできなくなり、既に行われているものについては中止されます(破産法249条1項)
2 同時廃止に要する時間
破産申立てをしてから、同時廃止の決定が出るまでの時間は一定ではありません。
書類に不備がなく、同時廃止の要件の充足が明らかであれば、1月以内に決定が出ることがあります。
他方、提出書類に不備がある事件や、同時廃止の要件を満たしているか微妙な事件は、裁判所から書類の追加提出や、追加調査を求められることがあります。
その場合は、追加提出・調査が完了するまで同時廃止の決定は出ないため、ある程度の時間を要することになります。
前述のとおり、実務では同時に免責許可の申立てもなされますが、この場合、裁判所は、免責についての意見申述の期間を定めなければなりません(破産法251条1項)。
意見申述期間は、期間の広告が債権者に通知されてから1月以上とされています(破産法251条2項)。
そのことから、ある程度余裕を持たせる意味で、決定日から2か月間と設定されていることが多いようです。
債権者から免責不許可にすべきとの具体的な意見があり、裁判所もそれが相当と判断した場合は、免責不許可の決定をすることができます。
もっとも、実務上では、同時廃止の事件において、免責不許可の決定が出ることはほとんどないようです。
そのため、基本的には、同時廃止の決定が出てから2カ月後、免責許可の決定が出され、これをもって破産手続きがすべて終了となります。
自己破産を自分で申立てることはできるのでしょうか? 桑名に住んでいるのですが、自己破産について相談できますか?