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過払い金請求がなくならない理由
1 過払い金請求は2020年代でも続いている
過払い金は、おおむね平成19年以前に消費者金融・クレジットカード会社から借入していた方が、高すぎる利息で返済していた分が返ってくるものです。
過払い金は、平成18年1月13日最高裁判決が出てからさかんになり、そこから10年たつと請求できなくなると誤解されるようなCMが流れて問題になったこともありました。
しかし、過払い金請求は、平成19年から10年以上たった2020年代に入っても、なくなることなく続いています。
2 過払い金は、基本的に完済しない限りいつまでも請求できる
過払い金請求が長い間なくならない理由は、一旦完済しない限り時効が進行せず、いつまでも請求できると解釈されているためです。
一般に、消費者金融やカード会社の借入は、限度枠の範囲内で自由に借入と返済を繰り返すことができ、基本契約(貸金業者と借入する人の間で、限度枠、利率、返済方法等を決めた契約)が続いている限り一続きの取引とみなすという最高裁判所の判決があります。
一旦完済するまでは、基本契約に基づく取引が続いているので、現在は法律で認められている利率の範囲内で過払い金が発生していないとしても、過去の過払い金が請求できる状態が続いているのです。
3 完済から時間が経つと請求できなくなる可能性がある
完済すると、先ほどの基本契約に基づく取引が終了したものとして、時効が進むようになりますので、完済から10年たつと、過払い金が時効にかかって請求できなくなると解釈されています。
たとえば、平成10年から借り始めて平成25年(2013年)に完済した方は、2023年には過払い金が請求できなくなります。
一方、平成10年から借り始めて、一度も完済せず現在も返済を続けている方は、現在でも過払い金請求ができますし、今後完済してもそこからしばらく過払い金請求が可能です。
ただし、時効に関する民法の規定が改正されたため、令和2年4月1日以降に取引が終了した借金については、取引の終了から10年が経過した場合に加え、過払い金の請求が可能だと知った時から5年が経過した場合も時効になります。
4 お早めにご相談ください
一旦完済しない限り、過払い金の請求は20年以上前の分でも可能です。
逆に完済して時間が経ちすぎると過払い金請求できなくなります。
そのため、完済した方は、お早めに過払い金がないか弁護士にご相談ください。
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