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和解した後の過払い金返還請求
1 和解した後の過払い金返還請求の問題点
和解した後に過払い金返還請求をする場合には、独特な問題点があります。
これはどのような場合かといいますと、返済している際に約束どおり返済できなくなって、ご自身で業者と話し合い(和解)をして、毎月の返済額や利率を変えてもらった場合等です。
この場合は、過払い金を取り返すのが通常より難しいか、全くできない可能性もありますが、対応のポイントを説明します。
2 和解時に元本が減っている場合は、基本的に請求できない
過払い金返還請求は、主に平成19年以前から消費者金融やカード会社で借入していた方が、高すぎる利息(過払い金)を払っていた分を取り返すものです。
和解をした際に元本が減った場合は、基本的に過払い金は返ってきません。
たとえば、元本で200万円残っていたときに話し合いをして、元本が150万円に減った場合は、話し合いの時点で過払い金額を計算して元本を減らしているので、過払い金の精算は終わっていることになるからです。
3 和解時に元本が減っていない場合は、様々な要素を考慮して決まる
和解した際に元本が減っておらず、利息や返済額だけが変わった場合等は、過払い金の精算はしていないのが通常ですので、過払い金が返ってくる余地があります。
ただ、民法では、過去に和解をした場合、後で和解時に決めた事項をくつがえすことは原則できないとされているため、和解時に過払い金があって元本額が違うことを後で主張できるのかという問題があります。
この点は、過払い金を考慮すればどの程度元本が減る予定であったのかや、和解した経緯、借主が受けた利益(利息カットの程度や毎月の返済額の減り具合等)も考慮して判断されます。
4 対応策
まずは、弁護士に相談する際に、以前業者と話し合い(和解)をしたことがあることをお伝えください。
当時の資料や和解の経緯等を伺って、こちらに有利な事情をどれくらい積み上げられるかがポイントになります。
元本が減っていないケースにおいては、和解した後の過払い金返還請求が認められた例がたくさんありますので、あきらめる必要はありません。
詳細は、過払い金返還請求に詳しい弁護士までお尋ねください。