交通事故治療における医療機関の選び方
1 症状にあっていますか?
骨折や打撲・捻挫については、整形外科の専門とするところです。
耳鳴りや難聴については、耳鼻咽喉科の専門とするところです。
歯の欠損については、歯科医の専門とするところです。
このように、問題となっている症状にあった医師を選ぶのが第一です。
2 設備は充実していますか?
整形外科には、医院に設置されている検査機がレントゲンのみのところもあれば、MRIまであるところもあります。
前者でも、総合病院等への紹介状を書いてもらえれば、精密検査を受けることは可能ですが、後者の方が融通が利くのは間違いありません。
また、理学療法士等が従事しているリハビリ施設を併設しているところもあれば、診察のみのところもあります。
診察のみのところを選んだ場合は、必要に応じてリハビリ先を新たに探さなければなりません。
3 患者の訴えを診療録に残してくれていますか?
診察時、患者はさまざまなことを医師に訴えます。
このような診療に関する事項を診療録に記載することは医師の義務とされていますが(医師法24条1項)、実際のところ、診療録に記録するか否か、どの程度記録するかは、医師によってまちまちです。
交通事故の場合、後日において治療内容や症状経過が争いとなった場合は、診療録を取り寄せて記載内容の検討を行うことが多々あります。
その際、きちんと診療録に記録されていれば、記載内容にもよりますが、証明はしやすくなります。
一見、話をよく聞いてもらえる医師であったとしても、診療録にきちんと記録しているとは限りません。
何回かは診療録の開示を求め、患者としてもチェックをした方がいいでしょう。
4 自宅または勤務先の近郊にありますか?
どの医療機関で治療を受けるかは患者の自由ですが、あまりに遠方の場合は、高速料金・特急料金やその他通院交通費の一部が否認されることがあります。
遠方の医療機関でしか受けられない特別の治療があり、かつ、医師がそれを推奨している等の事情があれば別ですが、そこまでの必要性を証明できない場合は、自宅または勤務先近郊の医療機関にするのが無難でしょう。