交通事故で首のむちうちになった時の特徴
1 頸部のむちうち
交通事故で追突をされた際に、重い頭部が衝撃で前後に揺さぶられたことによって、頭部を支えていた首に不自然な外力がかかると、むちうちになることがあります。
むちうちの場合には、事故などの衝撃で首が鞭がしなるように振れて動くことによって、頭部に急激な過伸展や過屈曲運動がおこり、頸椎や神経などに損傷を与えます。
むちうちの場合には、頸椎捻挫や頸部挫傷、外傷性頚部症候群などの診断名がつきます。
ちなみに、診断名が違っても保険会社の対応が変わることがありません。
2 むちうちの症状と治療
むちうちの症状は、頭痛や頸部痛、上下肢の痺れ、吐き気、めまい、疲労感など様々です。
しかし、レントゲンやMRI画像などで原因が見当たらないことも多く、他覚所見がないことを理由に治療期間を短く言ってくる保険会社が多いです。
治療期間は、事故時の衝撃の大きさや、衝撃を受けたときの体制等を含めて、様々な要因により異なります。
事故の衝撃が小さい場合などは、早ければ1か月で痛みが消えることもありますが、場合によっては半年から1年以上症状が続くこともあります。
医学的な観点からは、半年程度治療を続けると、これ以上治療を継続しても大幅に改善が見込めなくなることが多く、半年たっても症状があまり変わらない場合には後遺障害の申請を考えることになります。
3 むちうちと後遺障害
医師の中には、自覚症状だけだと後遺障害は獲得できないと言って、後遺障害診断書を書くことを避けようとする方もいます。
しかし、他覚所見がなくても、常時の痛みが事故当初から一貫して継続しており、回復が困難と判断されれば後遺障害等級14級9号「局部に神経症状を残すもの」と認定されることがあります。
また、事故が原因で発生したという明確なMRI画像やCT画像の所見があり、そのことによりむちうちの症状が発生したと証明できれば、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として、12級13号が認定されることがあります。
ヘルニアなどの器質的な異常により神経根の圧迫等が生じ、それにより対応する部位に痛みや痺れなどの症状が発生していれば認定される可能性はあります。
ただ、外傷性のヘルニアを発生する場合には非常に大きな外力が必要になりますので、むちうちで12級が認定されるような場合には、かなり大きな事故が想定されます。
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