将来介護費と介護の必要性の関係
1 将来介護費の賠償の前提となる「介護の必要性」
交通事故被害者の方が将来介護費の賠償を受けるためには、当然、その被害者の方が介護を必要とする状態に至っていなくてはなりません。
被害者の方に「介護の必要性」が認められるか否かは、被害者の方の後遺障害の内容や程度がどのようなものか、後遺障害を原因とする日常生活動作の制限の内容や程度がどうなっているか等といった観点から判断されることになります。
その際には、後遺障害診断書を始めとする医師の診断書、後遺障害等級認定票、カルテ、医師の意見書、実際に介護をしている方の報告書や陳述書、介護保険の認定調査票等の証拠に基づいて判断されます。
2 将来介護費と「介護の必要性」の金額の関係
被害者の方に「介護の必要性」が認められる場合でも、どのような介護が必要であるかは、被害者の方ごとに異なります。
例えば、日常生活動作全般において介護が必要だという方もいれば、日常生活動作のうち、トイレや入浴の場面のみ補助が必要だという方もいらっしゃいます。
そのため、「介護の必要性」が認められるケースにおいても、必要性のレベル(後遺障害の内容や程度、日常生活の自立の程度、必要とされる介護の内容や程度、介護に要する時間等)に応じて、将来介護費の金額が変わってくることになります。
3 将来介護費は弁護士にご相談を
将来介護費は、金額が大きくなることが多いため、加害者側から、「介護の必要性」の存在自体を争われたり、「介護の必要性」があることについては争いがないものの介護が必要な場面を限定する主張がなされたりすることも少なくありません。
「介護の必要性」に関する必要十分な立証ができないと、適切な賠償金を受け取ることができなくなってしまう可能性が高まりますので、将来介護費が賠償の対象となり得る案件においては、交通事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめいたします。