個人再生にはどういったデメリットがありますか?
1 個人再生とは
個人再生とは、無担保の借金の総額が5000万円以下であることを前提に、借金を一定程度減額させた上で、数年間の支払いを必要とするものです。
小規模個人再生と給与所得者等再生の2つが設けられています(※ 詳細は割愛)。
2 個人再生のデメリット
⑴ 一定程度の支払い責任を負うこと。
一切の支払い責任が免除される破産と異なり、減額はされるものの、個人再生では数年間に及ぶ継続的な支払い義務が課されます。
破産との比較においてデメリットというか、単なる制度上の特質と見るかは、別れるところですが、一応挙げさせていただきました。
⑵ 官報に載ること
破産だけでなく、個人再生も官報記載事項とされています。
官報を読んでいる人は非常に限られますが、債務整理をしたことが公開されてしまうことから、デメリットにあげさせていただきました。
なお、個人再生も破産も回避するのであれば、裁判所を介さない任意整理くらいしかできないことになります。
⑶ 破産に比べて弁護士報酬が高めであること
事務所によって金額に違いはありますが、一般に、個人再生の方が破産より高めに設定されています。
その理由としては、個人再生申立てをした後、毎月の家計の状況及び積み立て状況の報告をしなければならないほか、再生計画案の策定・提出等が必要とされ、より手間がかかるからです。
⑷ 作成・準備しなければならない書類が非常に多いこと
個人再生において、裁判所に提出しなければならない書類は多岐にわたります。
申立てを行う個人の収入・支出と資産に関するものすべてといってよいでしょう。
収集するだけでなく、自ら作成しなければならないものもありますので、修習・作成に要する時間は少なく見積もっても数時間、10時間を超えることも珍しくないと思われます。
任意整理であれば、貸金業者から求められない限り、書類を作成したり収集したりする必要はないため、デメリットとして挙げておきます。
3 最後に
ここではデメリットに焦点を当てて述べましたが、借金が大幅に削減されることや将来利息が付かないことは、大きなメリットです。
また、破産に比べて認められやすいという傾向もあります。
メリット・デメリットを担当弁護士と吟味の上、債務整理の方針を決めていただきたいと思います。
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