続きはこちら
ご来所に便利な事務所です
当法人は多くの方にお越しいただけるよう駅の近くに事務所を設けております。四日市で弁護士をお探しの方もお気軽にお越しいただければと思います。
債務整理を弁護士に依頼する際に注意すべきポイント
1 債権者数と残債額は把握できているのか
債権者数と残債額の把握は、どこから借りていて、あといくら返さなければならないのかを把握するということです。
どこから借りているのか分からないと、その債権者に対する受任通知を出すことができませんので、債務整理が始められないという問題が生じます。
あといくら返さなければ分からないと、債務整理の方法を適切に選択できなくなります。
すなわち、残債額が少なければ任意整理、多ければ破産・個人再生となることが多いのですが、その判断ができないということです。
2 収入と支出を把握できているのか
毎月、いくら収入を得ていて、いくら使っているかということです。
支出の把握においては、債権者への弁済金のほか、家計がどうなっているのかが見るべき点になります。
収入はともかく、支出を正確に把握していることは少ないので、弁護士に依頼しに行く場合は整理して伝えられるようにしておくとよいかと思います。
収入と支出を見比べて、継続して支払っていけるということであれば、任意整理や個人再生を選択することになります。
他方、弁済に回す余力がない、弁済に何十年も要するということであれば、破産が妥当となるといえます。
3 ローンは残っているのか
ローンが残っている場合に債務整理を行うと、ローン会社が購入物の引き揚げや返還を求めてきます。
これは、借金を完済するまで所有権がローン会社に留保されている契約になっていることが多いからです(※ 所有権留保付割賦販売といいます)。
住宅や自動車のほか、近年は携帯電話本体をローンで購入していることが多々あります。
いずれも簡単に手放せない物であることから、債務整理を行う際には重要な検討事項となります。
なお、住宅ローンに限り、住宅資金特別条項付個人再生という手続きが法律によって定められており、住宅ローンについては減額されることなく、通常どおり支払いを続けることが可能となる場合があります。
4 家族カードは誰の名義になっているのか
家族カードで借金をしている場合、家族の誰名義なのかが問題となることがあります。
例えば、父親名義の家族カードで、子どもが返しきれない借金をしてしまった場合、債務者は父親になるため、債務整理は父親でないとできません。
経験上、使った当人が債務者になると考えている方が少なくないため、注意が必要です。
債務整理を自分でする場合と弁護士に依頼する場合の違い
1 債務整理について
弁護士に依頼すると費用がかかるし、そんな費用は持ち合わせていないから、自分で債務整理をしようと考えている方もいるかもしれません。
たしかに、債務者本人による債務整理は、法的には可能です。
しかし、これから述べるように、様々な困難を乗り越える必要があり、事実上不可能に近いと思うところが少なくありません。
2 任意整理の場合
任意整理は、裁判所を介すことなく、債務者と債権者とが直接交渉し、将来利息の撤廃・変更、減額(※ 過払金がなければあまり期待できません)、支払い期間の延長等を行う手続きです。
一般的に、債務者は債権者より弱い立場にあります。
そのため、債務者本人が交渉しても、債権者に相手にされないか、わずかな変更しかしてもらえない可能性が高いと考えられます。
法的知識においても、債権者が債務者を上回ることが通常であることから、消滅時効の援用のような、本来であれば認められることが無視され、本来支払う必要のない債務を払い続けることになってしまうという懸念があります。
3 個人再生・破産の場合
個人再生は、法律の要件を満たす場合に、裁判所が認可することによって、債務を法律の認める範囲で減額し、一定期間分割で支払っていく手続きです。
破産は、法律の要件を満たす場合に、裁判所が認可することによって、債務の支払いが免責される、言い換えれば、それまでの借金を支払わなくてよくなる手続きです。
いずれも裁判所への申立てを必要とすることが、任意整理との違いです。
個人再生や破産を認めてもらうには、これらの根拠となる法律と、申立先となる裁判所実務への理解が不可欠です。
しかし、これらに精通する債務者はほとんどいないのではないかと思われます。
「裁判所に聞けばいい」と思われる方もいるかもしれませんが、これは誤りです。
裁判所は、申立内容や書面等のミスを指摘したり、追加・修正を求めたりはしますが、具体的にどうすればいいかまでは語ってくれません。
食い下がったところで、弁護士に相談してはと言われてしまう可能性が高いといえます。
加えて、債務者本人の申立てだと、十分な事前調査・精査がなされていないとみなされ、個人再生であれば再生委員が選任されたり、破産であれば管財事件になったりする傾向があるようです。
つまり、手続きがより厳しくなります。
4 債務整理をお考えの方へ
以上のような違いがあることから、債務整理は基本的に弁護士に依頼すべきといえるかと思います。
当法人では、債務整理の相談料を原則無料とさせていただいておりますので、まずはご相談ください。
借金と時効について弁護士へのご相談をお考えの方へ
1 借金の時効とは
借金をしていたが支払いができなくなり、長期間経過した場合、借金の支払義務が時効によって消滅する、つまり支払義務がなくなることがあります。
以前借入れをしていた債権者から請求書が届いたがどうしたらよいか分からない、支払う必要があるのかどうか分からない、消滅時効という言葉を聞いたがどのようにして行使するのか分からない等のお悩みをお持ちの方へ、借金の時効について解説していきます。
2 時効が成立するための条件
⑴ 前提:いつ借りたか
令和2年4月1日より、改正民法が施行され、それにより消滅時効の制度にも変更がありました。
そこで、ご自身の借入れがいつ行われたかをまず特定しておく必要があります。
⑵ 一定期間が経過すること
ア 令和2年3月31日以前の借入れの場合
銀行や消費者金融、カード会社など、貸金業を営む業者からの借金の場合、最後の取引(借入れや返済)から5年経過していることが必要です(※商事債権の消滅時効)。
他方、住宅金融公庫などの住宅ローンや信用金庫、個人間の借金の場合は、最後の取引から10年経過していなければなりません(※民事債権の消滅時効)。
イ 令和2年4月1日以降の借入れの場合
権利を行使できることを知った時から5年間、または、権利を行使することができる時から10年間経過していることが必要です。
貸金においては、何もしない状態で返済期限を過ぎたときが権利行使時ということになりますが、貸主が返済期限を知らないということは通常考えられないことから、実質的には一律5年になったと考えられます。
ただし、実際の時効は個々の事例によって異なりますので、一度弁護士へご確認ください。
⑶ 債務名義を取られていないこと
債務名義とは、裁判を起こされた場合の確定判決や裁判上での和解、支払督促という手続きをされた場合の仮執行宣言付支払督促などのことです。
これらの債務名義を取られていた場合には、これまでの時効はリセットされ、債務名義が確定した時から改めて消滅時効の計算がスタートすることになります。
つまり、債務名義の確定後は、10年を経過しないと消滅時効は完成しません(改正民法169条)。
ところで、例えば消費者金融から借入れを行っており、最後の返済から10年以上経過した後に裁判を起こされた場合、その時点では判決は確定していませんから、裁判の場で消滅時効の主張をすることで、支払義務を消滅させることは可能です。
したがって、債権者から裁判を起こされたとしても、すぐに諦めずに早めに弁護士に相談した方がよいといえます。
⑷ 支払義務を認めるような言動をしていないこと
最後の返済から一定期間以上経過していたとしても、その後に借金の支払義務があることを認めるような言動があった場合、権利を「承認」したと評価される危険があります。
仮に「承認」と評価されると、その時点から新たに時効が進行し始めるため(改正民法152条)、その時からさらに5年ないし10年を経過しないと時効にはなりません。
借金の支払義務があることを認めるような言動の典型例としては、借金の一部でも支払ってしまうことが挙げられます。
しばらく滞納が続いていた債権者から「5000円でもいいから払ってください。」などと言われることがありますが、5000円でも(極論をいえば1円でも)支払ってしまうと、その時点で支払義務を認めたことになり、そこからさらに5年ないし10年を経過しないと時効にはなりません。
また、債権者から請求書が届き、慌てて債権者に電話してしまう方もいらっしゃいますが、債権者との電話のやり取りの中で支払義務があることを認めてしまうと、その会話内容が録音されていた場合、やはりその時点から5年ないし10年を経過しないと時効にならなくなってしまう可能性があります。
⑸ 時効の援用をすること
時効の援用とは、簡単にいえば「借金については時効になっているので支払いをしない。」という主張をすることをいいます。
上記事項に必要な期間を過ぎているのに債権者から請求書が届くのは、「時効の援用」がなされていない以上、借金の支払義務が残っているからです。
上記⑵~⑷の条件を満たしている方は、時効の援用の手続きをすることが必要です。
3 時効の援用に関するご相談は当法人まで
長期間返済をしていなかった債権者から請求書が届いた場合には、債権者へ連絡や返済をする前に弁護士に相談された方がよいかと思います。
また、借入れをしていたのがかなり昔である場合、債権者の名前が変わっていたり、債権回収会社に委託されていたりするケースもあり、聞いたこともない業者から請求書が届いて驚くこともあると思います。
その場合にも、自分から債権者へ連絡をする前に、一度弁護士にご相談ください。
債務整理と親族・友人等からの借入れ
1 親族や友人等から借入れがある方へ
債務整理を検討している方の中には、親族や友人、知人、勤務先など貸金業者以外の方からもお金を借りている方がいます。
そして、これらの個人的な関係性がある方に対してはきちんと返済を続けたいというご意向をお持ちの方が多いです。
では、債務整理をする場合に、親族や友人等からの借入れはどのように扱われるのでしょうか。
これらの方だけに返済を続けることは問題ないのでしょうか。
2 自己破産や個人再生の場合
自己破産や個人再生といった裁判所で行う手続きでは、「債権者平等の原則」というルールがあります。
これは、すべての債権者を平等に取り扱わなければならず、一部の債権者だけを優先的に取り扱うことはできないということを意味します。
親族や友人等であっても、自己破産や個人再生をしようとしている方との関係では、貸金業者と同様に債権者であることに変わりありません。
したがって、親族や友人等も貸金業者と同等に取り扱わなければならず、貸金業者には返済をしない一方で、親族や友人等には優先的に返済を続けるということは認められません。
また、親族や友人等も債権者であるため、裁判所にその名前や住所、借金額等を報告しなければなりません。
もっとも、親族や友人等から、債権を放棄(つまり、お金を返してもらわなくてもよいという承諾を得ること)してもらえれば、その方は債権者ではなくなりますから、裁判所に報告する必要はなくなります。
親族や友人等を手続きに巻き込みたくない場合には、そのような方法を検討するべき場合もあります。
3 任意整理の場合
任意整理では、債権者平等の原則はありませんから、親族や友人等への返済を続けることも可能です。
また、任意整理は裁判所を通じた手続きではありませんので、裁判所に親族や友人等からの借入れについて報告する必要もありません。
ただし、親族や友人等への返済を続けるために、任意整理をした貸金業者への返済が滞ってしまうと、貸金業者から一括返済を求められるおそれがありますので、ご注意ください。
債務整理と銀行口座の凍結
1 債務整理と銀行口座の凍結
債務整理を検討している方の中には、銀行口座が凍結されてしまうことについて不安に思われている方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、債務整理をした際に凍結になってしまう銀行口座はどのようなものであるのか、凍結になってしまうとどうなるかについてご紹介いたします。
2 凍結になる口座の範囲
⑴ 銀行自体から借入れがある場合
銀行から借入れがあり、その借入れを債務整理の対象とした場合、その銀行の口座が凍結される可能性が高いです。
⑵ ⑵ 銀行系列の金融機関から借入れがある場合
銀行系列の金融機関から借入れがあり、その借入れについて債務整理の対象とした場合、その系列の銀行口座が凍結になる可能性があります。
もっとも、例えば三菱UFJニコスについて債務整理をしても三菱UFJ銀行が凍結されることはほとんどないなど、銀行によって運用が異なりますので、気になる方は相談の際に弁護士にお尋ねください。
⑶ 借金の引き落とし口座先口座
借金の引き落とし先に指定している口座は、凍結の対象にはならないことが通常ですので、ご安心ください。
⑷ 債務整理の対象としない銀行
銀行から借入れがあるとしても、その銀行を債務整理の対象としなかった場合、口座凍結されることはありません。
3 凍結になるとどうなるか
口座凍結されると、口座への入出金ができなくなります。
したがって、凍結になる口座を給料の振込先口座にしている場合、給料の入出金ができなくなってしまいます。
また、引き落としもできなくなってしまいますので、公共料金等の引き落とし口座に指定している場合、公共料金等の引き落としができなくなります。
さらに、口座凍結されると、凍結時に残っていた残高は、借金と相殺されてしまうことがあります。
4 口座凍結に備えた対処法
このように、メインで使っている銀行口座が凍結されてしまうと、給料の支払いや公共料金等の支払いに影響が出るなど、生活への支障が生じる可能性もあります。
口座凍結による不利益を受けないよう、どの借入れを債務整理の対象とするのかも含めて、弁護士へ相談していただくことをおすすめします。
債権者からの催促を止める方法
1 債権者からの督促が怖いとお悩みの方へ
消費者金融やカード会社、銀行などの金融機関から借金をしている方の中には、様々な事情で返済ができなくなってしまう方がいます。
返済ができなくなると、債権者から返済を求める催促の電話や書面が届きます。
しかし、返済ができていない負い目や債権者からどんなことを言われるかわからず怖いといった不安から、ご自身でしっかり対応することができる方は多くありません。
ここでは、債権者からの催促を止める方法についてご紹介します。
2 弁護士に依頼すると催促は止まる
債務整理を弁護士に依頼すると、弁護士から各債権者に対して受任通知が発送されます。
受任通知とは、債務整理について弁護士が依頼を受けた旨を債権者に知らせる通知のことをいいます。
そして、弁護士から受任通知が発送されると、債権者からの催促は基本的に止まります。
これは、貸金業法や債権管理回収業に関する特別措置法に、債権者が弁護士等から債務整理に関する受任通知を受け取った場合、正当な理由なく債務者に対して催促をしてはならないとされているためです。
3 個人の債権者からの催促は止まらない可能性がある
金融機関は、上記法律を守って受任通知の発送を受けたら債務者への催促を止めてくれますが、個人の債権者は上記法律による規制を受けませんので、催促の連絡が止まらない可能性があります。
その場合には、弁護士に依頼したことや弁護士の名前・連絡先を相手に伝え、弁護士と話してほしいと伝えるのがよいと思います。
4 裁判や差押えなどの法的手続きは止められない
受任通知を発送したとしても、債権者が裁判を起こしたり、差押えなどの強制執行を行ったりすることは禁止されていません。
債権者からの催促が無くなっても借金の支払義務が無くなったわけではありませんので、しっかりと債務整理の手続きを進めていきましょう。
5 債務整理の相談は当法人まで
債権者からの催促が怖くてそのまま放置してしまう方もいらっしゃいますが、放置してしまうと、勤務先に連絡が行ってしまったり、債権者から裁判を起こされ給与等の差押えを受けたりしてしまうリスクもあります。
借金の支払いができなくなったり、借金の支払いに不安になったりした場合には、早めに弁護士に相談して、債務整理を依頼するのがおすすめです。
債務整理をすると家族に知られるか
1 債務整理を家族に知られるかは手続きの種類による
債務整理をお考えの方にとって、ご家族に秘密で進められるかは切実な問題になることも多いです。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産と大きく3つの方法がありますが、家族に知られるかどうかは、手続きによって可能性が大きく異なります。
任意整理は、弁護士が債権者と分割払いの話合いをするものです。
個人再生は、裁判所に申請して、借金を減額してもらい、3~5年で返済する手続きです。
自己破産は、裁判所に申請して、借金を基本的に0にしてもらう手続きです。
2 任意整理は基本的に家族に知られずに進められる
任意整理は、裁判所に資料を提出する必要もなく、基本的に弁護士とのやりとりで完結するため、同居のご家族にも知られずに進められるのが通常です。
3 再生や破産でも配偶者以外は秘密で進められるケースも多い
再生や破産は、裁判所に資料を提出する際にご家族の協力が必要な場合があります。
具体的には、一家全体の収入と支出を家計の状況として毎月記録して出す必要があり、裏付資料として、同居のご家族の収入やお金の使い道に関する資料も提出する必要があります。
その結果、同居のご家族に知られる可能性があります。
特に配偶者との関係では、お金の管理は2人の収入で2人(または子どもまで含む)の支出をまかなっていて共通の部分があるのが通常ですので、配偶者の給料明細、保険証券、借金に関する資料等を出すことになり、知られる可能性は高いです。
一方、親子の場合は、お金の管理は分かれている例も多いので、知られずに進められることも多いです。
親子の収入と支出がどれほど共通であるかの程度(食費や水道光熱費や電話代等の負担関係)や住民票上の世帯がどのようになっているかによります。
4 配偶者以外の別居の家族には基本的に知られない
別居のご家族は、一家全体の家計の状況にも関与しませんし、資料を出す必要がないのが通常ですので、基本的に知られずに進められます。
5 工夫次第で知られずにできることもあります
ご家族に知られないという点では任意整理ができるのが一番良いですが、個人再生や自己破産をせざるを得ない場合でも、お金の流れやご家族の関係等で資料の提出方法を工夫することで、知られずにできる可能性が高まることもあります。
詳しくは弁護士までお尋ねください。
弁護士に債務整理の相談をするタイミング
1 債務整理の相談をしようか迷われている方へ
借金の返済に困っているが弁護士に相談すべきタイミングがわからず、弁護士に相談されることを躊躇してしまう方がいらっしゃいます。
しかし、結論から申し上げれば、弁護士に相談することが「早すぎる」ということはほとんどありません。
借金の支払の支払いが苦しいと感じた時、月々の返済はできているが完済できるか不安だと感じた時など、借金について不安が生じた際には、一度弁護士にご相談された方がよいかと思います。
そして、相談の結果、依頼することにならなかったとしても、今後の返済の仕方や再度弁護士へ相談するべきタイミングなどのアドバイスを受けることができますので、次に相談をすべきタイミングを知ることが可能です。
また、依頼に至らなかったとしても、方向性が見えたことで、「ずっと一人で悩んでいたが、もっと早く相談に来ればよかった」とおっしゃる方も多いですので、借金問題で悩みがあったら、一度弁護士に相談されることをおすすめします。
2 相談が遅れてしまうことによるデメリット
弁護士に相談をすることを躊躇しているうちに返済のための借入れをするということをくり返してしまい、借金の金額が大幅に増えてしまう方もいらっしゃいます。
借金の金額が少ないうちに弁護士に相談をすれば、任意整理という分割払いの交渉をすることで月々少ない金額での分割払いをすることも可能です。
他方で、借金の金額が大きくなりすぎてしまうと、任意整理できたとしても月々の支払金額が大きくなってしまったり、自己破産や個人再生などの方針を選ばざるを得なかったりすることになってしまいます。
そして、自己破産や個人再生の場合、同居のご家族の協力が必要になることがありますし、自己破産の場合には一定以上の金額の財産を手放さなければならなくなる可能性があるなど、生活に与える影響も大きくなりやすいですし、裁判所への書類提出や説明、出頭が求められることもあります。
3 借金問題で悩んだら弁護士法人心の無料相談をご利用ください
当法人では、借金問題にお悩みの方に気軽に相談していただけるように、債務整理のご相談は原則として相談料無料で行っております。
借金問題でお悩みの方は、当法人までご相談ください。
債務整理と過払い金返還請求
1 債務整理と過払い金返還請求は同時にも別々にも行える
債務整理のうち最も簡易でよく行われている任意整理は、弁護士が相手の業者と交渉して、分割払いの話合いをする手続きです。
過払い金返還請求は、主に平成19年以前から消費者金融やクレジットカード会社から借入れをしていた方が、払いすぎている利息を返してもらう手続きです。
債務整理と過払い金返還請求は、別々に行うこともありますが、同時に行うケースもあります。
例えば、完済した業者に過払い金の返還請求をする場合は、債務整理は行いません。
また、銀行のカードローンやクレジットカード会社のショッピングは過払い金が発生しませんので、この支払いに困った場合は、債務整理のみを行うことになります。
2 債務整理と過払い金返還請求を同時に進める場合とは
例えば、平成15年からカード会社で借入れ(キャッシング)と買い物(ショッピング)をして、キャッシングで30万円、ショッピングで20万円の合計50万円の借金残高がある方がいるとします。
弁護士に相談する時点では、過払い金がいくらあるかわからないケースがほとんどです。
この方の過払い金返還請求を進めようとすると、大きく3パターンが考えられます。
① キャッシングの債務が無くなって過払い金が100万円あり、ショッピングの分と相殺しても80万円返ってくる場合
② 過払い金があってキャッシングが10万円に減ったが、ショッピングと合わせると30万円の借金が残る場合
③ 過払い金が無く、50万円全額借金として残る場合
このうち、②と③は、結果的に債務が残っていますので、債務整理になります。
このように、過払い金の返還を求めるつもりが債務整理になるケースは、債務が残っている方にはよくあります。
3 債務整理と信用情報
①の場合は、過払い金を返してもらうだけですので、信用情報に事故登録されないといわれます。
ただ、②と③の場合は、残っている債務をどうするかの問題になり、信用情報に事故登録される(いわゆるブラックリストに載る)といわれます。
4 事前に取引履歴を取り寄せるという方法
債務が残っている状態で過払い金返還請求をする場合は、事前に取引履歴を取り寄せるのも手です。
信用情報に事故登録されずに過払い金を取り返したい場合は、完済すれば一番よいかと思います。
ただ、なかなか完済できない方もいらっしゃいますので、事前にご本人で取引履歴を取得してもらい、過払い金がいくらあるのか、上記の①になるか②や③になるのかを弁護士がチェックすることもできます。
①の場合のみ、過払い金返還請求をするのであれば、信用情報に事故登録されずに済むと見込まれます。
取引履歴の取得の仕方などは弁護士までお尋ねください。
債務整理に必要な期間
1 債務整理の種類により期間は大きく異なる
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産と大きく3つの手続きがあります。
任意整理は、基本的には裁判所を通さずに、弁護士が各業者と分割払いの話合いをするものです。
個人再生は、裁判所を通じて、借金を減額してもらい、3~5年で返済していく手続きです。
自己破産は、裁判所を通じて、借金を基本的に0にしてもらう手続きです。
2 任意整理の期間は3か月~6か月強程度が多い
任意整理は、まず、交渉相手の各業者から取引履歴を取り寄せるところから始まります。
取引履歴が全社揃って初めて正確な債務額がわかるので、これをもとに債権者と交渉します。
各業者が取引履歴を出すまでにかかる期間は、おおむね1~2か月程度が多いです。
その後交渉に1か月程度要しますから、任意整理にかかる期間は、最短で3か月程度になります。
ただ、もう一つ任意整理の期間を左右する要素があります。
それは、弁護士費用の支払いです。
弁護士費用を払いながら各業者にも返済しようとすると、余計に原資が必要となります。
例えば、毎月5万円払える方で、業者への返済額が5万円になる方がいたとします。
弁護士費用を5万円ずつ払って、払い終わってから業者に5万円払うなら問題ありませんが、弁護士費用5万円ずつを払いながら同時に業者にも5万円払おうとすると、毎月10万円の支払能力が必要になってしまいます。
そこで、任意整理の経験豊富な弁護士事務所では、弁護士費用を払い終わった後に業者に払えばよくなるよう、業者に待ってもらいます。
ですから、例えば弁護士費用の支払いに6か月程度かかるのであれば、その後1か月程度かけて業者と交渉することとなるため、任意整理が終わるまでに7か月程度かかることになります。
3 個人再生の期間は1年~1年6か月程度が多い
個人再生も、任意整理同様、各業者に返済していく手続きなので、弁護士費用の支払いの時期と、業者への返済スタートの時期がずれるように調整することが多いです。
個人再生において、裁判所に申請してから終了するまでの期間は、裁判所や案件ごとに異なりますが、おおむね8~10か月程度です。
その前に債権者から取引履歴を取り寄せたり、弁護士費用を払ったりして、短くて1年、長いと1年6か月程度かかることが多いかと思います。
4 自己破産の期間は6か月~1年6か月程度が多い
自己破産は、裁判所に申請してから終了するまでは、おおむね6か月弱が多いです。
その前に、債権者から取引履歴を取り寄せたり、弁護士費用を払ったりすると、短くて6か月強、通常1年程度が多いです。
不動産等お金にかえるのに時間がかかる財産がある方や、裁判所に支払うお金がなかなか用意できない方では、1年半程度かかることもあります。
債務整理において借金の元金が減る場合
1 債務整理の借金の減り方は手続きの種類による
債務整理を行うことで借金の元金がどれほど減るかは、選ぶ手続きによって、おおむね決まります。
債務整理には、大きく分けて任意整理、個人再生、自己破産と3つの手続きがあります。
2 個人再生と自己破産では借金は減る
個人再生は、裁判所を通じて借金を減額してもらい、3~5年で返済していく手続きです。
自己破産は、裁判所を通じて借金を基本的に0にしてもらう手続きです。
個人再生と自己破産を選んで成功すれば、借金の元金が減ります。
裁判所が定めたルールにのっとってお金の使い道を適正にしたり、必要な資料を提出して説明したりすることで、半ば強制的に借金を減額したり、0にしてもらうことができるのです。
3 任意整理では基本的に過払い金があるときしか元金が減らない
任意整理は、基本的に裁判所を通さず、債権者と弁護士が交渉して、支払方法を変更してもらう手続きです。
こちらは、裁判所を通さない分、細かなルールや資料を提出する必要はありませんが、各債権者が同意してくれる範囲で返済条件を変えることができるに過ぎません。
債権者は、将来の利息はカットしてくれることが多いですが、元金をまけてくれることはほぼないといってよいかと思います。
借金の元金を減らす場合、債権者は債務免除益といって、余分に税金を負担する必要が生じることが多く、話合いだけでカットするなら、誰も約束どおりの金額を払わなくなることを恐れているのだと思われます。
ほぼ唯一元金が減るのは、法定利息を超える利息をとっていた期間があり、返還すべき過払い金がある場合です。
過払い金は、法律上相手の業者がお金を借りた方に返すべきお金ですから、お客様が借りたお金と過払い金を相殺することになり、借金の元金が減ることが期待できます。
過払い金が発生するのは、おおむね平成19年以前から、消費者金融またはカード会社からキャッシングしている場合です。
4 債務整理について弁護士へご確認ください
借金の元金を減らすためには、個人再生と自己破産を選択するのが一般的です。
任意整理では、過払い金が発生しない限り、元金を減らすことは難しいです。
債務整理によって元本が減るか不安な方は、まずは弁護士に相談をして確認されることをおすすめします。
債務整理と訴訟への対応
1 訴訟は訴状が届くところから始まる
裁判所からの書類が届くのは、一般の方にはほとんど無いことです。
しかし、お金を借りて返していないという状況になってしまいますと、返済をめぐって裁判所から書類が届くことがあります。
この書類は、放置していると給料等の差押えを受ける可能性が十分ありますので、対応する必要があります。
この書類が届くまでの流れとしては、まず債権者(お金を貸した人)が裁判所に、このような理由でお金の支払いを求めるという訴状を提出します。
この訴状が裁判所からの書類として、債務者(お金を借りた人)の自宅や勤務先に届くという流れになります。
2 訴状に対しては答弁書を提出する
訴状が入った裁判所からの書類には、口頭弁論期日呼出状と、答弁書という書類が同封されています。
答弁書は、訴えを起こされた人(被告)の言い分を書く書類です。
裁判を起こされた場合、答弁書を適切に記入して、口頭弁論期日呼出状に記載されている期日の1週間前くらいまでに、裁判所に提出するのがよいと思います。
3 答弁書の書き方や出し方
債務整理を検討されている方が答弁書に記入する際には、いくつかのポイントがあります。
例えば、相手の言い分を全面的に認めると、すぐに判決が出て、差押えを受けるのが早くなってしまいます。
また、時効等で本当は払わなくてよくなっているものも、支払う必要が生じる可能性があります。
ですから、答弁書の内容は慎重に考えた上で作成する必要があります。
ご不安のある方は、訴状が届いた時点でお早めに、債務整理を得意とする弁護士にご相談ください。
債務整理における弁護士と司法書士の違い
1 司法書士も債務整理に関わることができる
司法書士の中には、法務大臣の認定を受けて、訴額が140万円以下の簡易裁判所で取り扱う事件について、書類を作成したり訴訟を代理したりする権限を認められている方がいます。
この認定を受けている司法書士であれば、債務整理案件の一部を取り扱うことができます。
2 借入額または過払い金額が140万円を超える場合の取扱いの可否
弁護士は、すべての法律業務を行うことができるのに対し、司法書士は、140万円を超える案件の代理をすることができません。
債務整理のうち、任意整理や過払い金返還請求は、1社ごとに140万円を超えているかで判断されます。
例えばアコムで100万円、プロミスで100万円借りている方の任意整理では、司法書士が両社分の任意整理をできます。
しかし、アコムで150万円、プロミスで50万円借りている方の場合ですと、司法書士はプロミスの任意整理はできますが、アコムの任意整理はできません。
この場合、アコムだけは他の弁護士等に依頼する必要が生じますので、スケジュールや窓口もバラバラになってしまいます。
3 裁判所とのやりとりの可否
司法書士が代理できるのは、簡易裁判所のみで、地方裁判所や高等裁判所では弁護士しか代理人になれません。
自己破産と個人再生は、お住まいを管轄する地方裁判所に申立てをしなければなりませんから、司法書士が自己破産や個人再生の申立てを代理することはできません。
司法書士でも自己破産や個人再生の依頼を受けている方もいらっしゃいます。
しかし、この場合、司法書士ができるのは書類を作成することに留まりますので、裁判所とのやりとりはご自身でやることになります。
また、個人再生委員や破産管財人とのやりとりも、ご自身でやることになります。
4 司法書士に依頼すると費用が安くみえる落とし穴
弁護士でなく司法書士に依頼するメリットとして、報酬が弁護士の報酬より安い場合が多いことが挙げられます。
これは当てはまる場合もありますが、逆に費用が高くなるケースもあるので注意が必要です。
例えば、自己破産には、同時廃止という簡易な手続きと管財事件という複雑な事件の2種類がありますが、多くの裁判所は、司法書士が代理で申立てを行えば管財事件にしがちですが、弁護士が代理で行えば同時廃止にしやすい傾向にあります。
司法書士に依頼したことで管財事件になると、裁判所に支払う費用が20万円以上高くなる上、ご自身で裁判所や破産管財人に対応しなければなりません。
このように、司法書士に依頼をすることで、弁護士に依頼をした場合よりもかえって費用や手間が発生してしまうおそれもあります。
債務整理のご依頼先は慎重に検討していただくことが重要です。
債務整理に関する直接面談義務
1 債務整理の直接面談義務
弁護士会は、「債務整理事件処理の規律を定める規程」により、債務整理を扱う専門家が守るべきルールを定めています。
この第3条には、「弁護士は、債務整理事件を受任するにあたっては、あらかじめ、当該事件を受任する予定の弁護士(弁護士法人が受任する予定である場合にあっては当該弁護士法人の社員又は使用人である弁護士のうち少なくともいずれか一人をいう。)が、当該債務者と面談して、次に掲げる事項を聴取しなければならない。」と定めています。
したがって、債務整理を依頼する際には、弁護士と面談していただく必要があるということになり、これを「直接面談義務」とよんでいます。
2 直接面談義務が存在する理由
債務整理は、依頼者の経済状態や法的問題の全体像を法律の専門家が把握することで、初めて的確な解決方法を提案できます。
一部の事務所では、最初から弁護士でない事務職員のみが話をし、弁護士が関与していなかった結果、全体を見れば不適切な解決方法になってしまっていたという事例もあります。
事務員による面談しかしない事務所や、全く面談しない事務所に依頼してしまい、その事務所と連絡がとれなくなったり、費用を払っても適切に債務整理を進めてくれなかったり等で後悔されている方もいらっしゃいました。
このような問題を防ぐために、弁護士が依頼を受ける際に面談することとして、依頼者の方の全体像を把握して適切に進められるように、直接面談義務が定められました。
3 例外が認められる場合は少ない
先ほどの第3条には、「ただし、面談することに困難な特段の事情があるときは、当該事情がやんだ後速やかに、自ら面談をして・・・で足りる。」という例外が記されています。
遠方にお住まいであるからとか、督促を早く止める必要があるという理由だけで、面談をしない事務所もあるようです。
しかし、これだけでは基本的に、面談をしない理由にはなりません。
お近くの事務所に依頼することも考えられますし、督促を早く止める必要があることは、債務整理を依頼する多くの方に共通することだからです。
4 弁護士と面談されることをおすすめします
面談をご負担に感じる方もいらっしゃるかと思いますが、債務整理は、人生の新たな出発点になりうる重要な手続きです。
弁護士との面談を通じて、問題解決のための具体的なアドバイスを得ることができ、気持ちが楽になったとおっしゃる方も大勢いらっしゃいますので、弁護士と面談できる事務所にご依頼されることをおすすめします。
おまとめローンに対する債務整理のメリット
1 おまとめローンと債務整理
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産と大きく3つの方法があります。
複数の借入れを一か所でまとめるおまとめローンと比較されている多くの方は、債務整理のうち任意整理をするかどうかを検討しているかと思います。
任意整理は、弁護士等の専門家が、貸金業者と分割払いの交渉をして、利息や毎月の返済額を減らしてもらうものです。
主に任意整理を検討されている方が多いことから、ここでは、任意整理を指して債務整理と呼ぶことにします。
ここでは、おまとめローンと債務整理を比較した上で、債務整理のメリットをご説明します。
2 債務整理なら和解後の利息が原則として0になる
おまとめローンは、銀行や消費者金融がお金を貸してくれるわけですから、元の借入れより利率が下がることはあっても0になることはありません。
一方、債務整理では、話合いの内容にもよりますが、話合いがまとまった(和解といいます)後の利息は0になることが多いといえます。
3 債務整理はすべての貸金業者を対象にできる
おまとめローンでは、複数ある業者のうち一部しか完済できない方がほとんどです。
例えば、A~E社の5社から100万円ずつ、利率10%で合計500万円の借金がある方がいらっしゃるとします。
この方がF社に500万円で利率8%のおまとめローンを申し込み、本当に500万円の融資が受けられれば、A~E社からの借入れを完済して、F社1社のみにすることができます。
しかし、収入や過去の利用履歴等から、300万円しかおまとめローンの融資が認められないことが多くあります。
そうすると、A~C社の300万円は完済できますが、E社とF社の100万円ずつは残ってしまい、さらに新たにF社の300万円を返済する必要があります。
これでは、1社にまとめるはずが結局3社残ってしまい、D社とE社は従来どおりの返済条件なわけですから、わずかな効果しかありません。
債務整理の場合は、A~E社すべてに対して分割払いの話合いをするため、基本的に、一部の債務がそのままの返済条件で残ることはほとんどなく、利息をカットしてもらえます。
そのため、毎月の返済額も大きく抑えられます。
4 債務整理は毎月の返済額の減り幅が大きい
先ほどの300万円しか融資を認められなかった例で、A~E社に毎月4万円ずつ、合計20万円返済していたとします。
おまとめローンのF社で300万円を月6万円ずつの返済になっても、毎月の返済額は、D社4万、E社4万、F社6万の合計14万円までしか減りません。
一方、A~E社に債務整理を持ちかければ、5社で8万5,000円程度まで返済を抑え込めることが通常です。
債務整理では、元金だけを5年分割60回で返済する程度が目安であり、500万÷60回だと8万5,000円程度に収まるためです。
5 弁護士にご相談ください
実際におまとめローンと債務整理でどの程度異なる結果になるかは、それぞれが抱えている債務の総額や利率によって変わってきます。
おまとめローンでどの程度返済額が抑えられるかは、基本的に銀行や消費者金融に融資を申し込むことで判断します。
債務整理によってどの程度返済額が抑えられるかは、弁護士までご相談いただくのが確実かと思いますので、お気軽に当法人までお尋ねください。
債務整理と利息カット
1 支払っている利息額の計算方法
毎月必死で返済していても、そのうちの大半が貸金業者に利息を払っているだけという方も大勢いらっしゃいます。
例えば、総額400万円の借金を年利15%で借りている方は、単純計算では1年間で400万円の15%の60万円の利息が発生することになりますから、毎月5万円(60万÷12か月)の利息を払っています。
この場合、毎月8万円の返済をしていても、6万円が利息にあたるので、2万円しか元金を払っていないことになります。
先に元金に充てることはできないのかと思われるかもしれませんが、民法489条1項では、債務を全部満足させるに足りない返済に関する充当の順序を、①費用、②利息、③元本と規定されています。
加えて、約款上、順当の順序を、費用・手数料→未払い利息→遅延利息→元本というように規定している貸金業者が大半であるため、元金へ先に充てることは不可能です。
前記設例に戻ると、新たな借入れを一切しなくても、一定の期間ごとに発生する利息に優先充当されてしまうことから、元金の完済まで非常に時間がかかってしまいます。
2 債務整理と利息カットの効果
債務整理の手段の1つである任意整理は、弁護士等の専門家が、裁判所を介することなく(裁判という手法を用いることなく)、貸金業者と話合いを行い、利息のカットや債務の分割払いについての合意を目指します。
任意整理では、過払い金請求ができる場合を除いて借金の元金は減らないことが多く、借金が減らすのに有効な手段といえないのではないかという印象をお持ちの方もいらっしゃいます。
しかし、任意整理でも、完済までに発生するいわゆる将来の利息は0%で合意できることが多いですし、0%にまでならなくても、5~10%程度にまで減らして合意できることが多いです。
通常の利息が15~18%程度に設定されていることと比較すると、大きな違いだといえます。
この効果を計算すると、400万円を年利15%だったのが5%に減っただけでも、400万円×5%=20万円ですから、単純計算ではありますが、1年間に60万円の利息を払うのに比べれば、最初の1年だけで40万円の差額が生まれます。
これが5年間続けば、その差額は300万円となります。
何より、破産や個人再生では、膨大な書類を作成・準備する必要があり、債務者にとって相当な負担となります。
毎月の家計の状況を記録したり、1年にわたる通帳の取引履歴等をコピーしたり、弁護士との打合せも含めると、何十時間を費やすことも珍しくないでしょう。
この手間がカットできるというのは、任意整理におけるメリットといってよいかと思います。
3 より正確な見通しを立てるために
2で述べた利息の計算例は、分かりやすさとイメージしやすさを重視したため、細部に至るまで正確とはいえない点にご注意ください。
当法人の弁護士にご相談いただくと、お客様の借金額に基づいて、債務整理を行った後の返済額を計算いたしますので、より正確な債務整理の見通しを立てることができるかと思います。
毎月たくさん返済しても借金が減らないとお考えの方は、債務整理でどの程度利息が減るのか、手続の費用を払っても最終的にトータルの支払額を抑えることができるのかなど、当法人までお気軽にご相談ください。
債務整理の相談前にした方がよいこと
1 債務整理とは
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産と大きく3つの方法があります。
任意整理は、裁判所を介さず、債務者・債権者(貸金業者等)間で交渉を行い、毎月の支払額を減らしたり、分割期間を延ばしたりすることです。
個人再生(小規模個人再生と給与所得者等再生)は、裁判所に申立てを行い、債務(借金)の額を減らして、無理なく払うことができる範囲にしてもらう手続きです。
自己破産(同時廃止と管財)は、裁判所に申立てを行い、借金をゼロにしてもらう手続きです。
ここでは、借金に困っている方が、債務整理を相談する前に、どの方法を選択するにしてもやっておいた方がよいことを3つ紹介します。
2 借金の額
借金がいくらあるかは、債務整理の方針に大きな影響を及ぼします。
少額であれば、後述する支払い可能額との兼ね合いになりますが、任意整理で解決できる可能性が高くなります。
逆に高額であれば、支払い期間を延ばしても完済は困難であることが多く、個人再生や破産を選択せざるを得なくなります。
実際の法律相談では、借金がいくらあるのかわからないという方がしばしば見受けられます。
この場合は、債権者に電話して、残債の確認をすることが考えられます。
最近は、専用アプリやブラウザのマイページで確認できるところも増えているようです。
2 借入先の数と名称
借入先がいくつあるかも、弁護士は注目しています。
借入先がわからないと受任通知が送れない他、借入先の数によって弁護士報酬を決めている弁護士が少なくないからです。
督促から逃げるために、貸金業者からの電話を受信拒否にし、届いた督促状等を破棄しているうちに、どこから借金をしているのかわからなくなる方が時々見受けられます。
前述のように、どこから、何社から借りているかは重要な事情であることから、このままでは法律相談が1回で終わらず、調べてからまた来てくださいということになりかねません。
どこから借りているのかを調べるには、信用情報機関に問合せをするのが確実です。
具体的には、JICC(株式会社日本信用情報機構)、CIC(株式会社シー・アイ・シー)、KSC(一般社団法人全国銀行個人信用情報センター)の3つです。
取得方法は、それぞれのホームページに詳しく掲載されており、それぞれ手数料1,000円がかかる他、住民票等の本人確認書類の添付が求められます。
弁護士との打合せに持参するのであれば、郵送での取付けが望ましいと思われます。
前述の信用情報機関への問合せでは、残債の額も開示されるので、いくら借入れをしているのかわからない場合の調査にも使えます。
3 収入・支出の金額・内容
支払い可能額、すなわち、毎月いくら返せるかは、基本的に毎月の収入から支出を差し引いた額から導き出します。
支払い可能額がそれなりにあれば、任意整理や個人再生を選択することが可能となり、他方、支払い可能額が乏しい場合は、破産を選択せざるを得なくなります。
毎月の収入(給料、ボーナス、年金、児童手当等)については、給与明細等で確認するのが一般的です。
世帯ごとの収入の情報が求められるので、同一世帯に収入を得ている方がいれば、その方の収入も把握しておく必要があります。
毎月の支出については、無頓着な方や、すべて配偶者に任せて何も知らないという方も一定数います。
家賃、電話代、食費、水道光熱費、保険料等、支出項目は多岐にわたるので、整理するのは大変ですが、法律相談をスムーズに進めるためにもやっておくとよいと思います。
支出の把握を契機に、見直しができる場合もあり、これによって債務整理の選択の幅が広がる可能性もあります。
4 その他
前述の3つのことをすることで、「こんなに借金が増えていたのか」「思ったより生活費がかかっている」と気づかれる方は大勢いらっしゃいます。
その気づきは、結果的に債務整理をする・しないにかかわらず、今後の生活に役立つと思われます。
債務整理における専門家選びのポイント
1 どの専門家を選ぶべきか
債務整理をお考えの際、法律の専門家である弁護士、司法書士、行政書士等に相談することを考える方が多いかと思います。
弁護士、司法書士、行政書士は、それぞれできること等が異なりますので、その点をしっかりと踏まえてどの専門家に相談するかを検討する必要があります。
2 行政書士
行政書士は、法律の解釈に争いがある部分もありますが、紛争性があるものについては、相談に乗ったり、代理人として交渉したりすることはできないものと考えられます。
債務整理は、債権者との間で債務額(場合によっては過払い金の有無および金額)等について紛争性がある手続きですので、基本的に、行政書士は対応することができません。
3 司法書士
司法書士のうち、認定を受けた一部の司法書士については、限られた範囲内であれば、債務整理に関する法律相談や代理業務を行うことが認められています。
具体的には、自己破産や個人再生といった裁判所へ申立てを行う手続きの場合、裁判所へ提出する書類の作成方法について相談に乗ることが可能ですし、書類の作成を代わりに行うことが可能です。
また、借金の金額が140万円以下のものについては、任意整理の相談、債権者との交渉をすることが可能です。
しかし、自己破産や個人再生の場合、裁判所とのやり取りが必要になるのですが、司法書士に依頼した場合、裁判所とのやり取りまで行うことはできないため、自分で裁判所とのやり取りをしなければなりません。
また、場合によっては、司法書士が自己破産や個人再生の申立てを行った場合、破産管財人や個人再生委員という弁護士が裁判所から選任され、その費用負担が生じる可能性もあります。
司法書士の方が一見費用は安く見えることが多いですが、破産管財人や個人再生委員が選任された結果、弁護士に依頼するよりも費用が割高になってしまうケースもありますので、ご注意ください。
4 弁護士
弁護士であれば、任意整理、自己破産、個人再生いずれの手続きに関する相談も受けることができますし、金額による制限もありません。
したがって、せっかく勇気を出して相談に行ったのに、制限があることが原因で相談に乗ってもらえなかった、依頼を受けてもらえなかったということもありません。
もっとも、弁護士の中にも得意分野や経験の多い分野が分かれている場合がありますので、債務整理に関するご相談は、債務整理に関する知識・経験の豊富な弁護士にご相談ください。
債務整理とブラックリスト
債務整理とすると、「ブラックリストに登録される」という情報がネット上で散見されます。
しかし、法的にはブラックリストという名簿は存在しません。
世間で言われている「ブラックリストに登録される」とは、信用情報機関に債務整理をしたことが登録されている状態のことを指します。
・・・続きはこちら
債務整理のメリット・デメリット
弁護士が債務整理のご依頼を受けた場合、弁護士はそのことを債権者に通知します。
債権者は、弁護士から通知があると、それ以後、債務者に連絡をとることを禁止されます。
そのため、弁護士に債務整理を依頼すると、債権者からの督促が来るというストレスから解放されるというメリットがあります。
・・・続きはこちら