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「自己破産」に関するお役立ち情報

同時廃止と管財事件の違い

  • 文責:代表 弁護士 西尾有司
  • 最終更新日:2023年2月28日

1 同時廃止事件とは

ア 自己破産をする場合、今ある財産を処分して、債権者に分配しなければなりません。
また、裁判所に一定の費用を納める必要があります。
イ しかし、債権者に分配できる財産が無かったり、裁判所に費用を納めることができなかったりするような場合、破産手続きの開始と同時に、破産手続きを終結させてしまいます。
ウ このように、破産手続きの開始と、破産手続きの終結を同時に行ってしまうケースを同時廃止事件と呼んでいます。

2 同時廃止事件のメリット

ア 通常、自己破産を行えば、裁判所が破産管財人を選任し、破産管財人が財産の調査や、処分を行うため、破産手続きが終結するまで時間がかかります。
また、破産管財人の報酬を、裁判所に支払う必要があります。
イ しかし、同時廃止事件であれば、破産手続きの開始と同時に、破産手続きが終結するため、破産管財人が選任されません。
そのため、比較的短期間で手続きが終了し、破産管財人への報酬を支払う必要もありません。

3 管財事件とは

  1. ⑴ 管財事件は、裁判所で選任された破産管財人が、破産者の財産を調査し、財産を処分して、債権者に分配する手続きです。

複雑な手続きのため、同時廃止事件と比べると、手続き完了まで時間がかかります。

  1. ⑵ また、破産管財人が選任されると、裁判所に一定額の予納金を支払う必要があるため、同時廃止事件より費用がかかります。

4 同時廃止事件と管財事件の分かれ目

⑴ 法律上は管財事件が原則

上記でご説明したとおり、同時廃止事件の方が短期間で手続きが終了する点や、裁判所に予納金を納める必要が無いという点で、管財事件よりメリットが大きいといえます。

もっとも、法律上、自己破産手続きは管財事件が原則で、同時廃止事件が例外ということになっています。

⑵ 手持ちの財産が少ない場合は、同時廃止事件になる可能性があります

例えば、裁判所に納める費用を支払えないような場合は、債権者へ分配できる財産も無いということになるため、同時廃止事件になる可能性があります。

⑶ 借金の理由がギャンブルなどでない場合、同時廃止事件になる可能性があります

借金が増加した理由がギャンブルなどの場合、本当に借金の支払義務を免除することが適切かどうかを裁判所がチェックする必要があります。

そのため、借金の理由がギャンブルなどでない場合は、同時廃止事件になる可能性があります。

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