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弁護士による債務整理@四日市

「過払い金」に関するQ&A

どのような場合に過払い金が発生しますか?

  • 文責:代表 弁護士 西尾有司
  • 最終更新日:2024年2月20日

1 過払い金が発生しないかお悩みの方へ

「最近、過払金請求という言葉をよく耳にする。長年にわたって、消費者金融からお金を借りたり返したりを繰り返してきたけれど、私にも過払い金が出ているのではないだろうか?」と考えたことのある方は少なからずいらっしゃるかと思います。

もし、過払い金があれば、現在の借金の額を減らすことができます。

過払い金の額が借金の額を上回っているか、借金自体を全額返済済みである場合は、過払い金という臨時所得を取得できることがあります。

では、どのような場合に過払い金が発生するのでしょうか。

2 過払い金とは

⑴ 借金に利息は付きもの

貸金業者は、お金を貸すときに利息をつけるのが通常です。

事業を続けるには経費がかかりますので、利息なしでお金を貸していては、経費だけがかかり続けることとなりいずれ破綻してしまいます。

借りる方としても、今まさにお金が必要であることから、返済を後日にしてもらえるのであれば、ある程度利息を払うことも致し方ないと考えるのではないかと思います。

⑵ 利息の上限

貸金業者としては、儲けを大きくするため、できるだけ高金利で貸したいところです。

もっとも、あまりに高金利だと一般個人が搾取される結果を招くことから、法律によって上限金利が設定されています。

まず、利息制限法は、元本が10万円未満の場合は20%、元本が10万円以上100万円未満の場合は18%、100万円以上の場合15%を上限と規定しています。

これとは別に、出資法は、平成3年11月1日以降の貸付は年40.004%、平成12年6月1日以降の貸付は29.2%を上限と規定し、これを超える金利を設定した場合には刑事罰を科すとしていました。

そして、利息制限法の上限金利と出資法の上限金利の狭間が、「グレーゾーン」と呼称される部分になります。

⑶ 貸金業法における「みなし弁済」

以前の貸金業法には「みなし弁済」が規定されていました。

これは、所定の条件を満たした場合に限り、債務者が利息として任意に支払った超過利息を有効な利息の弁済とみなすというものです。

⑷ グレーゾーンにおける「みなし弁済」と「過払い金」

以前の貸金業者は、前述の出資法の上限ギリギリの利息を設定した上で、グレーゾーン部分の金利については、「みなし弁済」されたと捉えるやり方が横行していました。

しかし、この「みなし弁済」について、非常に厳格な要件を課した最高裁判決が出たことにより、「みなし弁済」となる場合が事実上皆無となりました。

「みなし弁済」が有効でなければ、その部分は不当利得となりますので、債務者は返還請求をすることができます(民法703条)。

これが「過払い金」です。

3 過払い金が発生しない場合

平成18年~19年にかけて過払い金請求に関する最高裁判所の判例が相次いで出されたことをきっかけに、消費者金融やカード会社はキャッシングの際の利息を利息制限法に従った利息に改めるようになりましたので、それ以降に借入れを始めた場合には過払い金は発生しません。

また、銀行は利息制限法を超えて貸付けをしていた時期はありませんので、銀行からの貸付けの場合は過払い金が発生せず、ショッピングでの利用でも、利息制限法を超えた利率の取引はなく、過払い金は発生しません。

4 過払い金の時効に注意

過払い金が発生しているとしても、完済や取引が分断された時から原則10年以内に過払い金を請求しないと、過払い金の返還を求める権利は時効によって消滅してしまいます。

ただし、令和2年4月1日に民法の時効に関する規定が改正されたことにより、この改正後に取引が終了した借金については、上記の期間もしくは、請求の権利が行使できることを知ってから5年以内に請求しないと時効で請求できなくなるという規定ができました。

そのため、令和2年4月1日以降に取引が終了した借金は、5年で時効となる可能性もあります。

改正前の令和2年3月31日までに取引が終了した借金については、この規定は適用されないため、基本的にこれまでどおり10年でよいと思われます。

いずれにせよ過払い金の請求には時効があるため、もしかしたら過払い金があるかもしれないとお思いの方は、お早めに弁護士にご相談ください。

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