自転車操業の怖いところ

自転車操業とは、「操業を停止すれば倒産するほかない企業が、赤字を承知で操業を続けていく状態」（広辞苑）をいい、主に企業について使われる言葉ですが、個人の場合でも同様の状態に陥ることはあります。

ご自身の収入の範囲内で生活に必要な諸々の費用（家賃、光熱費、食費など）および借金の返済を行うことができなくなってしまった方が、新たに借入れを行ってそのお金で別の借金の返済を行うと、いわゆる自転車操業の状態に陥ります。

自分も自転車操業のような状態になっている、あるいは将来的にそうなる可能性があるかもしれないと不安に思われている方向けに、自転車操業の怖さについてご説明します。

まず、金融機関から借入れをした場合、その返済には利息を付けなければなりませんので、完済するまでには借りた金額よりも多くの金額を返済しなければならなくなります。

しかし、一度自転車操業の状態になってしまうと、大幅に収入が増える、あるいは支出が減るなどしない限り、収入の中から返済に回すことができる金額はなかなか増えません。

そうすると、ただでさえ収入の中から返済に回す余裕が無かったのに、さらに返済しなければならない金額が増えてしまい、また新たに借入れをしなければならなくなります。

これをくり返していると、浪費や高額な買い物等はしていないにもかかわらず、借金の金額が一気に膨れ上がってしまいます。

これが自転車操業の怖いところです。

借金の金額が分割で支払える限度の金額である場合には、任意整理という手続きを選択する余地がありますが、自転車操業の状態が長く続き借金の金額が大きくなりすぎると、個人再生や自己破産といった裁判所を通じた手続きをしなければならなくなる可能性が高まります。

参考リンク：裁判所・個人再生手続について

参考リンク：裁判所・自己破産の申立てを考えている方へ

債務整理のご相談に来られる人の中には、「返済が苦しくなり、借金をして借金を返す自転車操業のような状態になったが、だれにも相談できなかった。もっと早く弁護士に相談すればよかった。」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

現在自転車操業のような状態である方、将来的に自転車操業の状態になるのではと不安に思われている方は、当法人の無料相談にて弁護士にご相談ください。