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「債務整理」に関するお役立ち情報

税金を滞納している場合の債務整理

  • 文責:代表 弁護士 西尾有司
  • 最終更新日:2023年2月24日

1 公租公課そのものについて債務整理は可能か

⑴ まず前提として、所得税、住民税、固定資産税などの公租(一般的には税金と呼ばれています)や、国民健康保険料、介護保険料、下水道使用料などの公課については(合わせて「公租公課」といいます。なお、上水道の使用料は公課ではありません。)、通常の法律事務所はそれらを対象とする債務整理(任意整理)を行っていません。

滞納額について、一括での納付が難しい場合は、ご自身で役所の担当部署にて相談し、分割納付をする許可を得るしかありません。

⑵ 債務整理のうち任意整理と個人再生は、貸金業者等に対し返済を行うことが前提の手続きとなりますので、滞納している公租公課について納付の方法が決まっていないと、返済計画を立てることが困難になります。

なお、公租公課は非免責債権ですので、自己破産手続で免責決定を受けても免責されず、個人再生手続きで減額されることもありません。

そのため、納付についての相談は別途役所で行っていただく必要があります。

2 差押えのリスク

滞納している公租公課について分割納付の相談等もしないまま放置していると、役所によって給料や預貯金を差し押さえられるおそれがあります。

役所は、滞納者の勤務先や預金口座を把握することができ、預金口座を差し押さえる場合も給料が振り込まれた直後を狙うことができます。

給料等の差押えが行われると、任意整理による返済が困難になったり、自己破産を行ったりする場合でも費用の準備が困難になります。

滞納している公租公課がある場合は、放置せず役所の担当部署で相談することが重要です。

3 債務整理手続きの選択

⑴ 公租公課の滞納額が多い場合は、月々の収入を借金等の返済に回す余裕は無いことが通常ですので、債務整理の手続きとしては、自己破産を選択するしかないということになります。

自己破産で借金等について免責を得た上で、滞納している公租公課の支払いに月々の収入を集中させることになります。

⑵ 公租公課を一括または分割で納付しても収入に余裕がある場合は、債務総額と返済可能額を考慮して任意整理または個人再生を選択することになります。

4 債務整理の法律相談をする際の注意

返済の継続を前提とする任意整理や個人再生については、公租公課を含むすべての負債について把握した上で、それらの手続きを選択できるかどうかを検討する必要があります。

しかし、債務整理の法律相談=借金の相談と認識し、相談の際に公租公課の滞納を申告しない方もいらっしゃいます。

そのため、借金のみであれば(滞納している公租公課を度外視すれば)任意整理が可能なケースで、任意整理を行ったものの、その後に公租公課を分割納付する必要が生じてしまい、自己破産せざるを得なくなるケースもあります。

債務整理の相談の際は、滞納している公租公課や、親族、友人知人からの借入れも必ず担当弁護士に伝えてください。

四日市で債務整理をお考えの方は、弁護士法人心 四日市法律事務所までお気軽にご相談いただければと思います。

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